移葬改葬・移葬・分骨 改葬についての Q & A Q 改葬やお墓の移転ばどうすればよいか? 私は長男で東京に住み、墓を守る者も無く私も帰れず、東京に墓を求めようと思い、改葬とかお墓の移転など、 どの様にしたら善いでしょうか。 A お寺と檀家はお墓によって繋がるのではなく、信仰によって結ばれ、墓地や墓石は先祖の思いが込められています。 遠くて不便だからという自分勝手の便利のため簡単に墓所の移転をするのは好ましくありません。 年1回のお墓参りも難しく故郷に帰住する可能性も無いならやむを得ないでしょう。 遺骨は自分が直接新しい墓所に持参し、新しいお墓にお骨を納め法要を営んで供養して下さい。 Q 永年お世話になったお寺に兄の墓地があり、そこに私の子供も納骨していますが、どうも兄弟関係がうまくいかず、 自分の墓を持つよう言われ、狭い場所しかなく、兄との差がつきすぎ、宗派を移り妻の実家の菩提寺にお基を求めようと思い、Qです。 A 一族一家の者がお墓の中でも同居しずらいとは、悲しいことです。 亡き子供さんも、さぞや肩身の狭い思いをされ、墓は別にした方が良いです。 兄さんと同じ広さのお墓をもつ必要などなく狭くとも心の行き届いたお墓にすれば良いのです。 供養の気持ちに心をくだき、分家的な立場で宗派にこだわる必要はないでしょう。 兄さんと違う宗派ならよいという安易な考えなら×、信仰にかなった宗教、宗派を選ぶべきです。 改葬し遣骨を移すわけですから、感情を先に立てず、冷静に考え、子孫に及ぶお墓を選定すべきです。 Q 妻の実家の菩提寺に お基を求めようと思いますが、、、 A 菩提寺から学ぶに、ただの墓参りでなく墓参りは寺参り、自分を見つめ直す「自分参り」でもある。 わが身を振り返り、清らかな思いで墓参りするところに供養の意味も表れるのです。 Q 無縁墳墓の改葬手続は? A 死亡者の縁故者や無縁墳墓に権利をもつ者に対して、1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ、無縁墳墓のある場所に 立礼を 掲示し、その期間内に縁故者等の申し出がなかったことを記載した書類を改葬許可申請書に添付する。(米1年) Q 新しく建て直す場合は? A 古い墓石を土の中に埋めるようなことはしないで下さい。 今まで祀って来た石ですから無縁塚で供養してくれるお寺に安置し、お寺様に永代供養料を納めるようにして下さい。 Q 改葬か移葬か A1 改葬 遺骨を移し墓石は崩れるので変える A2 移葬 遺骸や遺骨・遺品を移す Q 大津皇子の移葬 A 持統の陰謀で殺された大津皇子は葛城の二上山雄岳山頂に移葬され、姉の大伯皇女の詞に詠まれ、(万葉集2-165) × うつそみの 人なるわれや 明日よりは 二上山を 弟背(いろせ)とわが見む ○ うつそみの 人なる我(あれ)や 明日よりは 二上山を 弟(いろせ)と我(あ)が見む ○ うつそみの 人にあるわれや 明日よりは 二上山を 弟世(いろせ)とわが見む 亡骸を二上山に移葬し奉ったが正史に載らず、歌意は、肉体を持った私はこの世に残り明日からは二上山の弟弔う、 * 二上山の弟弔う、又は、二上山を弟として見ていこう * 戒名は桂岩院殿月正清佳大姉 Q 興宣大院君父の移葬 A 興宣大院君は緬礼(墓を移葬したのちに改めて行なう葬儀)を行い、父親の墓を移葬した。 明成皇后は1866年に王妃の位を授かるも義父、興宣大院君と対立し、高宗の親政で自分が実権をふるった。 しかし、日本の刺客により命を絶たれ陵は淑陵という陵号が与えられた。 大韓帝国宣布後に名成皇后となり清涼里の洪陵へ移葬され、高宗が崩御すると金谷洞にある洪陵に移葬された。 Q お墓の引越しは好ましくないでしょうか、やむを得ぬ事情となれば? A 別の墓地へお墓を移転することを改葬といい、菩提寺にある墓を移転する場合は僧侶によく事情を話し、相談すること。 長い間、世話になった菩提寺ですから、何の挨拶もなく、 いきなり「墓を移したい」と申し出るのはエチケットに反します。 長い間先祖の霊に供養を続けてもらったこと、 父や母が帰依した菩提寺の本尊や代々の僧侶との精神的な交流も考え合わせて、 感謝の気持ちを表すことが大切です。 Q 挨拶なしで移転し、それなりのお布施は包みたいのですが、 墓地に手を付けさせない、というような感情的なもつれは避けたいのです。 A お墓の移転とは、墓石をトラックに積んで、移転先へ運べばよいのでしょうか。 ないわけではありませんが、大変希でお勧め出来ません。 墓石に愛着があるなら別ですが、石は処分し、 新しい墓地で新しい墓を建てます。 古いお墓で石碑が何本もあるような場合、運搬の労力がバカになりませんし、 新しい墓地のスペースに納まらないことも多いです。 費用の面から墓地の解体から輸送、移転先での据え付けまでの職人の日当、輸送料に少し足せば、新しいものが建てられます。 古い墓石はトラック運搬中のショックで割れたり、欠けたりする危険性もあります。 墓石を持って行くなら棹石(墓の中心になっている石)だけを運び、 新しい台石上に建て直します。 古い墓石は供養して“魂ぬき”し、埋めるのが良いでしょう。 Q 改葬とは、そもそも何ですか A 改葬とは、要するに古い墓を捨て、新しい墓へ移ることで、今までのお墓の御霊抜きの法要(閉魂法要)、 お魂ぬきという法要を営む(お寺様にして頂く)のがしきたりになっています。 墓地に手を入れる時は僧侶にお願いしてお経を誦えてもらう必要があります。 墓地には先祖の霊が長い間祀られていて、 そこが浄土だったわけですから、これは当然のことです。 埋葬してある遺骨を拾い、 骨が残っていない時は 遺骨が埋葬されていた場所の土を一握り持ち帰り、遺骨に代えます。 墓石を処置するにしても移転するにしても"魂ぬき"をしてもらわなければなリません。 僧侶を招いて法要を終えた後、古い墓石は、無縁仏として処分されることになります。 移転先の墓地に新しいお墓ができたら、 新しいお墓に納骨する時には、開眼法要、開眼供養を営むのがならわしです。 注意は改葬は、お寺に相談すれば、勝手にできるものではないことです。 お墓の移転となれば、遺骨をある墓地から他の墓地へ移すことになる訳で、役所の許可がなければできません。 Q 火葬許可証 A 火葬許可証は火葬済の証印を押して返却されるが、これは納骨時に墓地または納骨堂の管理者に提出する。 Q 改葬するための「墓地、埋葬等に関する法律」の手続きは A1 今の墓地がある市区町村の役所の市民課・戸籍課等の窓口にある 「改葬許可申請書」に記載されている事項を 記入・捺印し、 現在お墓のある寺院か墓地の管理責任者に署名・捺印をもらい、これが「埋葬証明書」になります。 A2 今の墓地の管理者(僧侶など)から埋葬(埋蔵・収蔵)証明書(今の墓地に埋葬されていることの証明書)をもらいます。 ※ 1の書類を持参して ●お寺の墓地であれば、そのお寺のご住職から証明(署名と捺印)してもらいます。 ●霊園であれば、管理事務所に申し出ます。 ●共同墓地などでは、管理者の都府市区町村の役所に申し出ます。 A3 お墓を移転する先の墓地で埋葬許可証(受け入れ証明書)を発行してもらいます。 ●移転先墓地管理者が発行する「墓地使用許可証」等でもよろしいです。 ●場合によっては、受け入れ証明書の代わりに 除籍抄本の提出も求められることもありますので、事前に確認しましょう。 A4 上記の証明書と印鑑を持って、 今の墓地がある市区町村の役所の市民課、戸籍課等で「改葬許可証」の交付を受けます。 A5 改葬許可証を移転する先の墓地管理者に提出します。 申請、交付の際に注意しなければいけないのは、 1.役所で交付を受けた改葬許可証が証明書とか写しでないかを確認して下さい。 必ず許可証でないと改葬先で受け付けられません。 2.改葬許可証はどこの役所にも備え付けられ、申請書をそのまま許可証にかえ捺印される場合があり、 下の事項が記入されているかどうかを確めて下さい。 ○右の改葬を許可します 平成○○年○月○○日 ○○県○○市長 何野 某 印 一般的な手続きは上記のとおりですが、 今の墓地がある市区町村の役所に事前に問い合わせしておくと良いでしょう。 Q 改葬の手順は A 事務手続きが終わると、改葬の準備にかかります。 1.改葬の日取りの決定 まず、改葬の日程を決めます。 2.旧菩提寺での御魂抜き法要 墓石を動かす前には必ず、僧侶に御魂抜きの儀式を行ってもらいます。 これは墓石から仏心を抜く儀式です。 御魂抜きをして、お墓を整理した後、遺骨を取りだします。 古くなった墓石は墓地にある無縁墓(塚)に祀るか業者に頼んで廃棄します。 3.お墓を掘り、遺骨を安置する 旧墓地管理者に「改葬許可証」を提示してご遺骨 (ご遺骨が土に還っている場合は一握りの土でよい)を引き取りますが、 その前にお坊さんに読教をお願いして魂の安寧を祈ります。 (その際は、改葬許可証は渡さない) 4.自宅の仏壇の前等に安置する 田舎から持ち帰ったご遺骨は、ご自宅の仏壇の前等に安置したり 新墓地の管理者に預け、ご家族お揃いの日に新しい墓地の管理者に 「墓地使用許可書」と「改葬許可証」を提示して、ご自分のお墓に納骨する こととなります。 5.改葬による開眼供養 新しい墓地に遺骨を埋葬します。この時、僧侶を呼んで開眼供養を行います。 6.納骨法要 納骨する時、納骨法要(新しい墓石の場合、開眼法要が済んでいなければ 開眼法要も合わせ行う)を行います。 前もって管理事務所に頼んでお坊さんの手配をして貰い ます。 Q 墓地区画の返地届というのは 遺骨を改葬して、市営墓地を使用しなくなったときは、墓石を撤去して区画を返還しなければなりません。 (改葬申請書と墓地返地届は同時に提出する。) 1 墓地返地届用紙(所定の様式)に必要事項を記入する。(遠隔地の場合、用紙の郵送を依頼) 記入上の注意点 返地届の届出人は、墓地名義人(墓地名義人が死亡しているときは、その祭祀承継者)です。 2 墓地返地届の改葬(撤去)店名欄に墓石撤去を依頼した墓石店等の印鑑をもらう。 3 必要事項を記入、押印した返地届出書を提出 4 墓石の撤去工事 5 墓地返地届に添付する書類 ・ 墓地名義人と届出人が異なるときは、続柄がわかる戸籍謄本 ・ 届出人の住民票(市外に住民登録をされている人) ・ 墓地使用許可証(紛失の場合は、墓地使用許可証紛失届) ・ 関係者の同意書(名義人が死亡のとき) ・ 誓約書 ■ 霊園使用場所返還の手続き ○ 霊園使用許可証(紛失した場合は、世帯全員の住民票を添付して再交付申請 る。) ○ 印鑑証明書 ○ 返還届 ○ 名義人の死亡が記されている戸籍謄本もしくは除籍謄本(名義人が死亡している場合) ○ 名義人と申請者との関係がわかる戸籍謄本もしくは除籍謄本(名義人が死亡している場合) ※ 使用場所の原状回復が必要です ※ 名義人の親族からの同意書が必要になる場合があります。 ■ 使用権者の名義を変更する場合 霊園使用権者(埋葬場所の名義人)は、次に該当するかたでなければ承継もしくは譲渡することができません。 ○ 使用権者から譲渡を受けた親族(6親等以内)もしくは縁故者 ○ 使用権者が亡くなった場合は相続人 ※ 相続人がいないときは、市長から特に許可を受けた親族(6親等以内)または縁故者 ■ 名義変更の手続きに必要なもの ◎名義変更手数料 ○ 6親等以内の親族に変更する場合 ・ 霊園使用許可証(市の窓口で霊園の使用許可をした際に発行しております。) ・ 戸籍謄本もしくは除籍謄本(新旧名義人の続柄がわかるもの) ・ 新名義人の世帯全員の住民票 ※ 親族等の同意書が必要になる場合があります。 ○上記以外 手続き内容が個々により異なる場合があります。 分骨についての Q & A Q 父が故郷に帰省中に亡くなり、生前田舎の墓に入りたいと言っていたので、そこで済ませたのですが、 父方の実家と仲が良くなくトラブルが起き始め、また、場所が遠くなかなか行くことも出来ない為、私達で引取りたいと思っています。 遺骨を骨壺に入れ土の中へ埋めた為掘り返さなくてはいけないし、父の実家にある墓なので勝手に移す事も出来ず悩んでいます。 A 遺言により実家の墓地に納骨なさったとの事ですが、この場合お父様の遺骨の所有権者 (慣例法的には生前よりお父様が営んでいた世帯の祭祀継承者、普通はお父様の配偶者や第1男子) が実家の祭祀責任者(具体的には実家の世帯主や家長)に遺骨の埋蔵保存を委託したものと理解できます。 遺骨の保存費として、墓地の管理費の一部や祭祀費の一部を負担するのが普通です。 遺骨の所有権者であっても、他所(実家)の墳墓を勝手に掘り返すと墳墓発掘罪及び墳墓発掘遺骨領得罪に問われますから 遺骨を移したい場合は実家の祭祀責任者(具体的には実家の世帯主や家長)に許可を得る必要があります。 よく話し合ってどうするか、両家に遺恨の残らない方法をとりたいものです。 Q 父が故郷に帰省中に亡くなり、生前田舎の墓に入りたいと言っていたので、そこで済ませたのですが、 父方の実家と仲が良くなくトラブルが起き始め、また、場所が遠くなかなか行くことも出来ない為、私達で引取りたいと思っています。 遺骨を骨壺に入れ土の中へ埋めた為掘り返さなくてはいけないし、父の実家にある墓なので勝手に移す事も出来ず悩んでいます。 A 故人の遺言もあることですし分骨なさってはと思います。 分骨の正式な手続として、まず実家の墓地の管理者から分骨証明書を発行していただき、移し先の墓地管理者に分骨証明書を提出し、 遺骨を納める手順となります。 分骨は遺骨を数箇所に埋蔵しますので夫々で祭祀が実施され、実家でもお父様の供養もあり、実費を支払う必要がでてきますが反面、 近くの墓所に埋蔵することで手厚い供養やお参りが可能になります。 このようなことも考慮に入れご実家と率直に話し合ってください。 もし実家のほうで拒否された場合は法的手続きに訴える方法もありますが、祭祀は心の問題ですので穏便に済ませたいものです。 Q 夫の親戚から、夫の遺骨を分骨して、実家のお墓にも遺骨を埋葬するように言ってきたのですが、従う必要がありますか? A 分骨とは、遺骨の一部を他のお墓に移すことです。 改葬は遺骨全部をあるお墓から他のお墓に移すことですから、改葬の手続きより簡易な手続きが定められています。 分骨の場合、お墓の管理者から分骨証明書(遺骨の埋蔵の事実を証明する書類)を発行してもらい、 分骨した遺骨を納めるお墓の管理者にその証明書を提出すれば、分骨できます (墓地、埋葬等に関する法律施行規則五条)。 死者の遺骨の所有権については、死者の祭祀承継者に所有権があります。 従って、祭祀承継者があなたならば、夫の遺骨に対する権利はあなたが持っていることになり、 遺骨の所有者ではない親戚の要求があっても、あなたが拒否すれば分骨できません。 改葬する場合、墓地の管理者が、納骨証明書の発行を拒否することがあります。 墓地管理者が証明書を発行しない場合、納骨の事実を証明する資料を示し改葬の許可を申請することもできます。 お墓の承継についての Q & A Q 主人が守ってきたお墓を私が継ぐ事になったのですが、手続きは? A お墓を引き継ぐ場合に必要な手続きは、墓地(霊園)管理者への届け出をします。 寺院墓地の場合はご住職です。 公営墓地の手続き例ですが、管理事務所発行の「承継使用申請書」「霊園使用許可書」 (紛失した場合は管理料領収書)、 新旧の名義人の続柄がわかるもので発効日から6ヵ月以内の「戸籍謄本」、発効日から3ヵ月以内の「印鑑証明書」と手数料が必要です。 Q 長兄が墓地継承を拒み困っています。 兄弟3人で遺産相続の話し合いを進めていますが、長兄が 「墓地は、ほかの兄弟が継いでくれ」と言い出したことか らちょっとモメています。 今後、本家筋になる長兄が相続すべきものだと思うのですがどうなのでしょうか? A お墓や仏壇、祭具、家系図といったものは祭祀(さいし)財産と呼ばれ、相続財産に入りません。 民法ではその承継(相続)について規定しています。 前任者(親)が遺言で承継人を指定してあればその人が、指定がないならば慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべきものがこれを承継 (民法第897条)します。 慣習に従ってということならば、ご質問にあるように長男の方が相続分と関係なく墓地を承継する慣習が多いと思われますが、 拒否もできます。 そうなった場合は、相続人全員での話し合いで決めることになります。 相続放棄をした者を承継者とすることもできます。 お墓を持っているとはいっても墓地区画の使用権(永代使用権)があるだけで、買契約による所有権はないのが一般的です。 そうした事情も考えると墓の承継がすんなり決まらないケースが増えてくるかもしれません。 相続分の指定や遺産分割方法の指定などと同様に遺言書で法律上効力を有する事項の中に、祖先の祭祀主宰者の指定も含まれている と解されていますので、遺言を作成するならトラブルを未然に防ぐ意味でも祖先の祭祀主宰者を指定しておいた方がいいでしょう。 これは正式な遺言書である必要はなく、手紙などでもかまいません。 要するに継承する本人と家族が了承していることが重要なのです。 なお、指定を受ける者は遺産相続人でなくてもよいことになっています。 ですから、実際は長男が継ぐケースが多いとは言え、必ずしも長男である必要はなく、他家に縁組していない限りは、 長女や次男・次女でもよく、心を許しあった親友であってもかまわないということになります。 嫁いで姓が変わった娘さんでもお墓の後継ぎになることはできます。 ただ、公営の霊園では「継承者は親族」と決まっています。 民営の霊園では、霊園によって多少違いはあるものの、一定の条件をクリアすれば認めてくれるケースも多いようなので、 相談してみるといいでしょう。 だれが承継者となっても実質的には兄弟間の共同管理にするといった配慮があれば、後々まで尾を引く問題にはならないのですが、 祭祀の承継者が話し合いでどうしてもまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判で最終的に決めることになります。 また、祭祀財産の相続人は一人を原則としています。 Q 血縁者でなくてもお墓を継承できるか?子供のころに私がお世話になった老夫婦のお墓が無縁になっていました。 ご恩返しのために私がこのお墓を守っていきたいと思うのですが、血縁のない私でも、このお墓を継承することができるのでしょうか。 A どなたのお墓に限らず、無縁になるということは寂しいものです。 まして、恩人であったり知人であったりすれば、なおさらでしょう。 公営墓地では、次の祭祀者が肉親や血縁者でなければならないという規定は特にありません。 二年以内に墓地の継承者として申請し、管理事務所が続柄などを検討して承認してくれれぱ、血縁のない人でもお墓を守っていくことは 可能です。 しかし、故人には本当に血縁者はいないのかをよく確認する必要があります。 都営霊園の使用許可取り消しの条件の中に、 1 使用者が三年間管理料を納めないとき、 2 使用者が10年間住所不明のとき、 という項自があます。 次に寺院墓地の場合は、それぞれ寺院によって墓地の規定があり、祭祀者となるべき条件を決めている寺が多いので、 直接ご相談ください。 寺院の場合は公営墓地と違って、血縁者調査がかなり詳しくなされていて、祭祀者がいないときは 永代供養の手続きがされていたりするので、知り合いというだけですぐに使用許可されるとは思えません。 何年間か墓参に行って実績が認められてからという場合もあります。 Q 夫の遺骨は妻のもの? A 亡くなった夫の遺骨の所有権は祭祀(さいし)を主宰する妻か、それとも「家」にあるかの、遺骨の所有権をめぐって裁判が争われた。争っているのは会社役員をしている未亡人と夫の妹。 夫は51歳で急死し未亡人となった妻は葬儀の喪主をつとめ、遺骨は夫の祖先の墓に納骨し、施主として亡き夫の法事を行なった。 その後、同居していた義母との折り合いが悪くなり、義母は家を出て、自分の長女のもとに身を寄せた。 それ以来未亡人も夫の実家との親戚付き合いをやめ、夫以外の祖先の位牌と仏壇を引き渡した。 その後、妻は新たに買い求めた仏壇に夫の位牌を納める一方、区内の寺に夫の墓を作って遺骨を引き取り納骨しようとした。 しかし夫の母親や兄弟が「親戚でなくなった以上、遺骨を引き取る権利はない」と拒否したため、遺骨の引き渡しを求めて提訴していた。 判決は、喪主かどうかにとらわれず 「夫の死後、生存配偶者(妻)が祭祀を主宰することは、夫婦とその子供を家族の基本とする民法や慣習に照らし法的に承認され、 夫の遺体や遺骨の所有権は通常の遺産相続によることなく、祭祀を主宰する生存配偶者に帰属し、子供に継承されていく」とした。 ジャンル別一覧
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